FIELD NOTE KUSHIRO

北海道くしろ地方のローカルメディア「フィールドノート」のブログ

ある視点-Limited Edition- 漫画家ホリユウスケ×くしろ

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ある視点 -Limited Edition-

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長期滞在者として釧路にやってきた山口県出身の漫画家ホリユウスケさん。

東京の暑さと大のエアコン嫌いが功を奏して、釧路で快適な避暑生活を送りはじめたのが2015年の夏。長期滞在2年目を迎えたホリさんの視点と、釧路市内の長期滞在ビジネス研究会に所属する、ユタカコーポレーションマンスリー事業部の菅谷恵介さんの視点。外側と内側から見た、2人の視点を通じて見えてくる釧路の魅力とは?

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逆転の発想

-「涼しい釧路で避暑生活」といったPRがよく聞こえるようになってきたここ数年。メディアで取り上げられたり話しで聞いたりするけれど長期滞在って実際はどんなものなのでしょうか?

 

菅谷(以下●):「釧路で長期滞在の事業がはじまったのは、市役所がはじめた時から一緒だったので10年近く前でしょうか。実際に滞在者が増えてきたなーと感じるようになったのはここ2~3年の間ですね。割合としては年配の方が多く、ビジネスとして利用されるようになったのはここ最近の話しですね。」

 

-そんな前から活動されていたんですね。続けていく中で何か課題など感じたことはありますか?

 

●「迎える側として思うのは、観光や長期の滞在で来られる方が年々増えているので、インフラなど対応が間に合わない点もあるのかなと思います。夏はホテルでの宿泊も連泊ができなくなっているみたいですね。」

「それでも行政と民間の取り組みによって、はじめの頃は年に50件くらいだったものが、去年では550件と増加。寒い夏といったマイナスイメージを逆手に取り、強みにできたことはとても大きいなと感じますね。」

 

●「あとはやっぱり行政から民間への流れができているのが良いですね。ちゃんと民間に利益が落ちる仕組みがあること。これがあるから地元の協力も得られるし、協力があるから長く続くのだと思います。」

 

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-なるほど。行政と民間、どちらと偏ることなく協力して取り組むものだからこそ、釧路の魅力が伝わっているのかもしれませんね。またこうした長期滞在のPRなどの情報を一切知らずに釧路に来られたホリユウスケさんはどういった経緯で来られたのでしょうか?

 

ホリ(以下○):「僕が最初に釧路に来たきっかけは、ちょっと病気をしたときに東京の夏がツラくなって。ただでさえ僕はエアコンが苦手だったので、夏にガッツリ涼しいところに行こうと思い立ってからですね。」

 

○「一週間くらい生活してすぐ良いなと思いましたね。そのあとに長期滞在1位とか知って、同じこと考えている人が結構いるんだなって知りました。でも東京だと昼だけじゃなく夜もエアコンを付けていないと暑過ぎなんで、ほんと地獄ですよ。」

 

○「ほんとは軽井沢とかも候補にあがっていたんですけど、家賃とかホテル代とかが東京と変わらないくらい高くて。しかもホテルも予約できないし、いっそのこと日本中で…と考えたらリーズナブルに普通に生活できるのって釧路だなって。」

 

○「涼むことができるって、半端ない威力の武器ですよ。マネしようと思ってもできるものじゃないし。釧路での生活となると軽井沢みたいに高くないですし。僕みたいなパソコン1つあれば仕事できる人ってたくさんいるだろうし、もっと来たらいいのにって思います。」

 

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追い風しか吹いていない

-長期滞在者の中でも年配の方が多いとのことですが、経済的にも時間的な余裕をみても60-70代の方々がほとんどだそうで。もうちょっと利用する側の視点を聞けたらと思いますがどうでしょう。

 

○「ただ単純に思うのは、座れる場所が少ないなって。年配の方が多いのであれば駅前だけでも、狭い範囲でいいので屋根付きで座れる場所があればいいんじゃないでしょうかね。ただ涼みながらゆっくりだべって座れるベンチがマチにたくさんあるだけでいいですよ。中心街に図書館ができると聞きましたが、是非そんなベンチをつくってほしいです。

あと強いて言うなら街の中にスーパーがあるといいですね。長期滞在になるとちょっとした生活になるので、毎日外食もキツくなるし。釧路の魚はケタ違いにおいしいですしね。」

 

○「あとは高齢化社会じゃないですか。なので熱中症対策とか、真面目に健康面で訴えていくのも良いと思いますよね。北大通とか駅前とか、かなり年配の方々にやさしいエリアにするのも良いんじゃないでしょうか、巣鴨みたいに。」

 

-そうですね、地元から見れば昔の栄えていた釧路を知っている世代は駅前や北大通に拘りがあって、今でもあの時の釧路のように、と話されますが。今の10-20代の若者にとっては、バブルとか知らない世代ですからね。それを押し付けても良くないし、中心街に執着もないでしょうね。

 

-ちなみにホリさんは今回の滞在に満足していますか?

 

○「今は何とかなっていますがWifiできる場所はもっとあってほしいですね、あとFAXとか使えるところとか。そうすればもっと夏の間だけでも涼みながら仕事する人って結構いると思うので。というのも、東京に住んでいる者としては年々不快になっていくんですよ。どんどんビル立つし、蒸し暑いし。もうちょっと年取るともう夏は無理ってなりますね。そうなるとまた釧路の需要が伸びますよ。なので、釧路市のホームページのトップとかにもっとわかり易い写真とかたくさん載せて、ノマドワーカーの皆さん涼しいところで仕事しませんか?みたいな、施設のリンクとかがあるとすぐ来る気がしますけどね。」

 

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(ファッションデザイナーの安藤さんと市役所のサテライトオフィスを利用。)

 

-なんか具体的過ぎて、すぐ解決できる気がしますね。笑

 

○「年配の方だけではなく、子どもがいる世帯とかも響く伝え方もあるのではと思います。例えば子どもがいるなら夏だけでも両親と一緒にきて、夏休みを釧路で過ごすとか。子どもにとっては最高じゃないですか。カヌーで川下りしたり、おいしい魚も食べれるし。子どもは大満足だと思いますよ。僕も去年、湿原の中のサイクリングロード行ったんですけど、最高でしたね。そこでこれは来年もくるなって。なので今の釧路は追い風しか吹いていない気がします。笑」

 

エアコンをつかわないエコ生活

○「夏の間を釧路で過ごすことによって、ほぼ冷房も暖房も使わない生活になりましたね。これってかなりエコな生活だと思います。光熱費もかからないし、かかるとすれば東京のちょっと寒い時期くらい。それと釧路は空気がおいしいですよね。海からの風が湿原で浄化されているというか、天然の空気清浄器を味わっています。」

 

○「先日、友だちの漫画家からの依頼があり作品を手伝う機会があって。その内容が「今のオススメの移住先」みたいなタイムリーな内容で。その漫画の中では松山が1位みたいなんです。映画館に病院、温泉も街中に近いということで、全部が徒歩圏内に固まっているという。でも、そう考えると釧路もそれに近いんですよね。むしろ気温のことを言うと、どこにもマネできないものが釧路にはある。」

 

新宿のトランクルームの値段と家賃が同じ

○「あと僕が住んでいる新宿のマンションにレンタルで2畳くらいのトランクルームを借りているんですけど。そこの月額が釧路の今住んでいるマンションの家賃と一緒の金額なんですよね。笑

新宿のトランクルームと同じ金額で、この広さと快適さって言ったらないですよ、ほんと。

物置として使っていてもいいですし、実際少しづつ釧路に物を送ったりしてるし。しかも管理人も居て、エレベーターも付いてて。新宿で言えば12万はしますよ。それは借りちゃうよなーと。もし東京で何かあっても飛行機乗れば数時間で戻れるし、飛行場も近いのが良いですよね。僕みたいなノマドワーカーが増えたらもっと楽しくなるのになと。」

 

-快適な環境で良い仕事をしてもらうことで、仕事のパフォーマンスが上がるのなら、最高なパフォーマンスが出来るように地方がサポートしていけると良いですよね。それが作品になると地方にいる自分らも嬉しいですし。行く行くは釧路を舞台にしたものが漫画や映画になったりすると素晴らしいですよね。

 

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ホリユウスケ

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漫画家。山口県下関市出身。藤子スタジオ出身。月刊少年チャンピオンにて『シャッフル学園』連載中。単行本第4巻2016.9.8発売。新宿のホリコスタジオ《EDO》と釧路のホリコスタジオ《EZO》を行き来しながら生活中。

 

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(月刊少年チャンピオン連載中の『シャッフル学園』単行本4巻発刊にともない、コーチャンフォー釧路店でも展開中!直筆のサインも!!) 

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